KOBE HPC Spring School 2018 開催報告について
2018.04.03
2018年3月14日(水)〜2018年3月16日(金)、神戸大学 計算科学教育センターにて「KOBE HPC Spring School 2018」を開催しました。
本スクールは主に、大学や研究機関に所属する学生・若手研究者を対象としたスクールであり、「京」に代表される大型計算機を効率的に利用するためのスカラーチューニングや並列計算プログラミング手法などを学ぶことを目的としています。また、本スクールは2017年9月4日より5日間にわたって開催された「KOBE HPC Summer school 2017」のアドバンスト版になります。
初日の午前には、島伸一郎先生(兵庫県立大学大学院シミュレーション学研究科 准教授)により,「超水滴法による雲の精密シミュレーション」と題して、流体計算と水滴を粒子的に扱う超水滴法を組み合わせた計算スキームの紹介と、積乱雲などへ応用した研究成果についての講演をしていただきました。
午後からは、陽解法の差分コードを題材に、コードのチューニングに関する講義及び演習が行われました。2日目の午前にはOpenMPを用いたスレッド並列化を行い、午後からはMPIを用いたプロセス並列と合わせたハイブリッド並列について学びました。最終日には、MPIの片方向通信やコミュニケータなど、よりアドバンストなMPIの講義・演習が行われましたが、受講者から鋭い質問が次々と飛び交うなど、有意義な演習となりました。また、午後には中尾昌広氏(理化学研究所計算科学研究機構 研究員)による、XcalableMPを用いた並列計算の講義、演習が行われ、受講者は皆最後まで熱心に取り組んでおられました。
終了後のアンケートでは、「MPIを自分のプログラムに導入する難易度が下がった」、「より上級者向けの講義と実習を」といった声の他、GPUプログラミングに関する要望が多く見られました。
2018年8月には兵庫県立大にて、並列計算に関する初級者向けのサマースクールが開催予定であり、GPUアクセラレータを用いたプログラミング実習も行う予定となっております。詳細は追ってWebページ等でお知らせいたします。